娘の結婚式後、胸痛が3日間続いた
患者は、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症のある65歳の女性です。
実は女性は今回の発症より数カ月前から、ときどき典型的ではない胸の痛みを感じていました。
しかし、その時点で行われた心電図や心臓超音波検査には異常がなく、心臓のポンプ機能も正常な範囲に保たれていました。
その後、女性は娘の結婚式に出席し、非常に大きな喜びを経験しました。
ところが結婚式後、胸の痛みと息苦しさが現れ、症状は3日間にわたって続いたといいます。
最初に受診した医療機関の心電図では、心筋梗塞で見られることがあるST上昇が確認されたため、女性は救急外来へ緊急に紹介されました。
救急外来に到着した時点では胸痛とST上昇は消えていましたが、新たにな数値の異常が見つかりました。
さらに、心筋が傷ついた際に血液中で増えるトロポニンも大幅に上昇していました。
これらの所見から、医療チームは急性冠症候群を疑い、女性を心臓集中治療室へ入院させました。
しかし、緊急の冠動脈造影検査を行っても、心臓へ血液を送る冠動脈には重大な狭窄や閉塞が見つかりませんでした。
心筋梗塞に似た症状が起きているにもかかわらず、その原因となる血管の詰まりが存在しなかったのです。





























