イギリス・アレン考古学研究所により、ドイツ・ベルリンにある駐車場の地下から、中世時代の大虐殺を証明する大量の遺骨が発見されました。
この場所はかつて共同墓地でしたが、今は駐車場の下に埋まっています。2008年に最初の発見が報告されたものの、詳しい調査が開始されたのは最近のことです。
同地からは約3700の遺骨が出土しており、半数は1047年〜1299年の間のものと特定されています。
遺骨の分析から、当時の住民の間に病気や貧困が蔓延していたこと、さらには、ある人物が主導した大虐殺の証拠も同時に判明しました。
栄養不足の子どもたち
発見された子どもの遺骨には、ビタミン不足による「くる病」の跡が見られました。原因はビタミンD不足であり、脊椎や四肢骨を大きく歪めてしまいます。
ある子どもの遺骨は、背骨が弓なりに曲がっており、腕が手前でクロスされた状態にありました。同チームのナターシャ・パワーズ氏は「この姿勢から、破傷風も患っていた」と指摘します。
破傷風は、傷口から破傷風菌が侵入することで感染し、重症の場合は全身の激しい硬直により、舌を噛み切ったり、背骨を折ることがあります。
また、ビタミンCの欠乏による「壊血病」や「結核」で死亡した子どもたちの遺骨も多数発見されました。
当時の町は、深刻な貧困状態にあったことがうかがえます。