自殺が起こりやすい温度がある「日本人は25.5℃で自殺する」
気温の上昇と自殺率の関係は、いくつもの研究で報告されています。
12か国における130万件の自殺が調べられた研究では、周囲の気温が高いと自殺が増えることが明らかになりました。
ただ興味深いことに、気温が高ければ高いほど自殺率が上がるわけではありませんでした。
どうやら自殺発生には最適な温度があるようなのです。
上の表では各国における最も自殺件数が多かった温度と少なかった温度が記されています。
日本人の場合は25.5℃で最も自殺しやすく、0.4℃で最も自殺しにくくなるとされており、平均的な自殺のピーク温度よりも低いことがわかります。
各国における自殺のピーク温度は、それぞれの国の年間を通した平均的な気温よりも高くなっており、単に同じ温度の日が多いから、自殺件数が多くなったわけではありません。
人間を暴力的にする温度がある
同様に、複数の研究において気温の上昇が人を暴力的にすることが報告されています。
2010年から2018年にかけたイギリスのデータでは、10℃のときよりも20℃のときのほうが凶悪犯罪が14%多く記録されています。
同じような熱による暴力犯罪の増加はアフリカ、台湾、アメリカ、フィンランド、スペインでも報告されています。
また36年間にわたり世界中で起きた7000件の社会運動や抗議活動を分析した研究では、気温が上昇するにつれて集会の暴力性が増す傾向があることがわかりました。
またアメリカにおいては、冬より夏のほうが肉体的・精神的・性的な虐待や暴力が「親密な男女」の間で12%増えると報告されています。