なぜ今頃になってオリジナルのDNA解読が行われたのか?
しかしどうしてイギリスの研究者たちは、長年放置されてきたDNA配列の解読を今頃になって行ったのでしょうか?
インペリアル・カレッジ・ロンドンはイギリスでも指折りの名門校であり、数多くの優れた研究結果を世界に発信しています。
そんな優秀な研究者たちが、50年間に渡り冷凍保存されていたオリジナルのアオカビに着目した理由は…実はスーパーバグとの戦いにありました。
全ての抗生物質に対して耐性を持つスーパーバグは、人類の健康維持にとって致命的な存在です。
しかしながら人類が抗生物質を乱用した結果、いまやスーパーバグに近い病原菌は身近に迫る存在になってしまいました。
そのため、人類は感染症に対して再び、ペニシリン発見以前の状態に戻りつつあるのかもしれません。
今回、長年冷凍保存されていたオリジナルのアオカビのDNA配列が注目されたのも、初心に帰らざるをえなくなった人類が、再びアオカビから学ぼうとした結果だったのです。