スマホ上の細菌叢は持ち主を写す鏡となる
関連する3つの研究により、携帯電話上には独自の細菌世界が存在することが示されました。
細菌たちは情報技術の進歩によって出現した携帯電話という新たな環境にも順応し、生活圏を築いていたのです。
この事実から「他人の携帯に触れる」ということが、決して推奨されないことがわかります。
免疫力が衰えた人が、医療従事者の持つ携帯に触ってしまい、薬剤耐性菌を持つ病原体に感染してしまうということが十分に起こりうるでしょう。
一方で、持ち主ごとに携帯電話の細菌叢が異なるという結果は、犯罪捜査や法医学において、携帯電話から持ち主の職業や生活環境を類推する手がかりにもなります。
研究者たちは将来的に、携帯電話以外に靴や服などの細菌叢のデータを体系立てることで「細菌捜査」が可能になると考えているようです。