立場逆転を盛り込んだ「なりきり」ロールプレイは自己の正しい理解を促す
研究者たちがロールプレイを用いた治療に新たに加えた要素とは何か?
答えは、立場の入れ替わり(逆転)でした。
研究者たちはまず、社交不安障害を患う被験者たちに「デート」や「就活面接」など現実を反映する状況でロールプレイをしてもらい、次に立場を入れ替えた状況でロールプレイを続けてもらいました。
立場の入れ替えによって被験者たちは自分自身からデート相手、志願者から面接官に役を写さ「なりきる」ことが要求されます。
また立場が入れ替わった元々のデート相手や面接官は、可能な限り被験者の特徴を真似たロールプレイをするように求められました。
結果、立場逆転を伴うロールプレイを行った被験者たちは、通常のロールプレイを繰り返した被験者たちよりも、自分に対する負のイメージが大幅に改善していたと判明します。
社交不安障害の患者の多くは自分自身に対して過剰に負のイメージを持っていますが、相手の視点を体験することで、自分について抱いていた、歪んだイメージを治すことができたようです。