無酸素運動が酸素を使った脂肪燃焼を引き起こしている
運動にはマラソンのような長時間にわたり大量の酸素と大量の脂肪を消費する有酸素運動と、重量挙げのような瞬間的に大きな力を発揮する酸素を使わない無酸素運動があると言われています。
無酸素運動は筋肉や血中に含まれる糖分をエネルギーにしているため、酸素を使った脂肪の燃焼には直接的にかかわらないとも考えられていました。
確かに、全力疾走を行っている時や、筋トレを行っている瞬間には、呼吸を止めていることが実感としてあると思います。
しかし多くの人々が体感しているように、無酸素運動の後には激しい呼吸・発汗・心拍数が増加、身体中の発熱といった「まるで有酸素運動を行っている最中のような状態」が現れます。
この現象は「アフターバーン」と呼ばれ、脂肪燃焼効果も確認されています。
しかし無酸素運動がどのようにして、休んでいる体に有酸素運動の最中ような状態(アフターバーン)を引き起こしているかは、謎でした。
ですが、このアフターバーン現象はとんでもない医学的価値を秘めているんです。
もしアフターバーンの仕組みを解明し再現できる「アフターバーン薬」が開発されれば、誰もが休みながらにして、体を有酸素運動の最中のような状態にでき、お手軽なダイエットが可能になる可能性があるからです。
そこで今回、ケンタッキー大学の研究者たちは、過負荷運動(筋トレ)が行われた直後のマウスの筋肉細胞で何が起きているかを集中的に観察しました。
アフターバーンが起きて体が有酸素運動状態になるからには、筋肉細胞から脂肪細胞に何らかの「燃焼命令」が発せられていると考えたからです。
すると、非常に興味深い現象が確認されました。