毒の品質には「温度」も重要
研究チームは、環境の「温度」がハチ毒のタンパク質組成に影響を与えることを発見しました。
気温があまりに高いと、ハチのコロニー内外での活動に悪影響が出ます。
そして、25個の巣箱を調べたところ、気温が高すぎる場所ではハチ毒の分泌量が少なくなっていたのです。
スカッカバロッツィ氏は「これは、季節的要因がハチ毒のタンパク質生成に変化をもたらす、という私たちの予想に合致するものでした。
また、高タンパク質が生成される最適な範囲は、摂氏33〜36度となっていました」と話します。
この他にも、地理的な条件や、ハチが食べた花の成長段階なども毒の生成に影響する可能性が示唆されました。
ハチ毒は今や、1グラムあたり300ドルもの高値で取引される収益性の高い商品です。
その中で、今回の研究成果は、より少ない量で品質と効果の高いハチ毒を得るための大きな助けとなるでしょう。
ハチ毒の質を高めることで、ますます高まる医療分野での需要にも対応できるようになるかもしれません。