自己肯定感がないと恋しちゃダメ?

SNSを開くと、「自分を愛せない人は他人も愛せない」「まずは自分を愛しなさい」という金言が山のように流れてきます。
自己啓発本でも、「自己肯定感をMAXにしてから恋をしろ」と言わんばかりのメッセージが並びます。
確かに「私」ついて一番知っている存在が「私」を嫌いならば、他人は好きになりようがない――という論調は一見すると正しいようにも思えます。
しかし注意深く分解すると、この言葉は奇妙な点が見えてきます。
私たち人間は相手のことを良く知らなくても「好き」になることがあります。
自分自身のことを見えてない人にナルシストに限って、自己肯定感が高いというケースもあるでしょう。
そうなると「私」に対する「私」の評価点数(自分愛や自己肯定感)や感想が、恋愛において決定要因になると考えるのは、理論の連鎖的に無理が生じることに気付くでしょう。
セルフラブと自己肯定感
「セルフラブ」は、日本語ではよく「健全な自己愛」と訳されます。ここでいう自己愛は、いわゆるナルシシズム(自分しか見えない自己陶酔)とは違い、「自分をひとりの人間としてちゃんと大事に扱う態度」を指します。その中には「自分には価値がある」と感じる自己肯定感も大きな要素として含まれますが、セルフラブは「ダメな自分もまあいいかと受け入れる力」や、「しんどいときに無理をさせず休ませてあげる力」など、自分との付き合い方全体を含んだ、もうひと回り広い概念です。自己肯定感はセルフラブという家の中にある大きな部屋のひとつであり、セルフラブが育つと、その部屋も自然に居心地がよくなっていく、というイメージでとらえると分かりやすいかもしれません。
一方で、心理学の世界では、ずっと前から「自分を大事にすること」と「自分しか見えないナルシシズム」は違うものだと整理されてきました。
自分を好きでいることは、わがままでも身勝手でもなく、むしろ幸福感やメンタルヘルスを支える土台のひとつとして研究されています。
また、恋愛感情そのものもバラバラに扱われているわけではなく、「三角理論」と呼ばれる有名な枠組みがあります。
そこでは、ドキドキや欲望といった情熱(passion)、心の距離の近さをあらわす親密さ(intimacy)、そして「長く一緒にいるつもり」というコミットメント(commitment)の三つを材料にして、さまざまな恋の形を説明します。
ただ、「セルフラブ」とこの恋の三角形の関係をまとめて調べた研究はこれまでほとんどありませんでした。
そこで今回研究者たちは、「セルフラブ」と「恋の三角形」を比較することで、その結びつきが本当に強いのかを調べることにしました。
もしセルフラブがあまり高くなくても「恋の三角形」要素を満たせるとするなら「自分を愛せない人は他人も愛せない」というよく聞く言葉に対する大きな反論になり得ます。






















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