柑橘類をよく食べる人は「うつ病リスク」が低い
「うつ病を防ぐには適度な運動やストレス管理が大切」とよく言われます。
しかし食生活がメンタルヘルスに与える影響も決して軽視できません。
例えば、これまでの研究では、地中海式のメニュー(魚、野菜、果物を多く含む食事)がうつ病のリスクを低下させる可能性が示されているのです。
その一方で「特定の果物がうつ病を防ぐのか?」という疑問については、まだ十分に研究されていません。
そんな中、2016年の研究で「柑橘類の摂取とうつ病リスクの低減が関連している可能性がある」ことが示唆されました。
ただ、この報告は仮説の域を大きく出ていなかったので、研究チームは今回より大規模なデータを用いてこの説を検証することにしました。

チームは、アメリカで行われている「Nurses’ Health Study II(NHS2)」という大規模な調査データを分析しました。
この調査は1989年から開始され、10万人以上の女性が参加しています。
チームは、このデータに登録されている約3万2000人の女性の食事記録をもとに、2003年から2017年の間にうつ病を発症した人の割合を調べました。
その結果、柑橘類を毎日食べていた人は、そうでない人と比べて、うつ病の発症リスクが22%低いことが明らかになったのです。
この効果は柑橘類に特有のものでした。
参加者の野菜摂取量やリンゴ・バナナといった他の果物の摂取量を調べたところ、それぞれの摂取量とうつ病リスクとの間に関連は見られなかったのです。
つまり、うつ病の発症リスクを下げられる果物は、ミカンを代表とする柑橘類の専売特許と考えられるわけです。
では、なぜ柑橘類を食べるとうつ病リスクが下がるのでしょうか?



























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