土器の「焦げ付き」を分析し、7000年前のレシピを解明
古代人の食生活を調べるため、考古学では長年「残留脂質分析」という方法が使われてきました。
これは土器に残った脂肪成分を分析することで、どのような食材が調理されていたのかを調べる技術です。
この方法によって、古代の人々が魚や肉、乳製品などを調理していたことが分かってきました。
しかし、この方法には見落とされやすい弱点があります。
それは、脂質が豊富な食材ばかりが検出されやすいという点です。
動物の脂肪は長く残りますが、脂質の少ない植物は検出されにくくなります。
そのため古代の食生活は「肉や魚中心だった」というイメージが強くなりがちでした。
さらに考古学資料そのものにも偏りがあります。
動物の骨は何千年も残ることがありますが、植物は腐って消えてしまうことが多いのです。
つまり、これまでの研究では植物の利用が過小評価されていた可能性があります。
そこで研究チームは、別の証拠に注目しました。
それが土器の内側に残る炭化した焦げ付きです。
料理の際に鍋の内側にこびりついた食物は、炭化すると微細な細胞構造が保存されることがあります。
これを顕微鏡で観察すれば、植物の種子や果実、葉などの組織を識別できる可能性があるのです。
研究チームは北ヨーロッパから東ヨーロッパにかけての13遺跡から出土した、焦げ付き有りの土器85点を調べました。
年代は紀元前6000年から3000年ごろで、現在から約8000~6000年前に相当します。
その結果、85点のうち58点で植物組織を見分けられるほど状態のよい痕跡が見つかりました。
分析には顕微鏡観察だけでなく、残留脂質分析や安定同位体分析も組み合わせました。
こうした複数の方法を併用することで、動物と植物の両方の痕跡をより確実にとらえることができます。
結果として、草本植物の種子、ベリー、葉、地下茎など、さまざまな植物が土器の中で調理されていた痕跡が確認されました。
しかも多くの場合、それらは魚などの水生資源と一緒に調理されていました。
では、具体的にどの地域でどんな組み合わせが見つかったのでしょうか。

























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