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7000年前のレシピの再現 / Credit:Lara González Carretero ,CC-BY 4.0
history archeology

土器の「焦げ付き」から7000年前の”地域料理”が明らかに (2/2)

2026.03.05 11:30:38 Thursday

前ページ土器の「焦げ付き」を分析し、7000年前のレシピを解明

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7000年前の「地域料理」とは?魚や植物の組み合わせが発見される

研究で特に興味深かったのは、地域ごとに異なる食材の組み合わせが見つかったことです。

これは古代の食事が単なる栄養摂取ではなく、一定の調理習慣や文化的な選び方を伴っていた可能性を示しています。

例えばポーランドのドンプキ遺跡では、淡水魚とセイヨウカンボク(Viburnum opulus)の実を組み合わせた痕跡が目立ちます。

セイヨウカンボクの実は生だと苦く、加熱すると強い匂いも出ます。

研究チームは、「こうした実が魚と一緒に調理されることで食べやすくなったかもしれない」と論じています。

さらに興味深いのは、この実が遺跡の一般的な植物遺骸にはあまり現れないのに、土器のフードクラストの中には繰り返し現れる点です。

つまり日常的に何でも食べていた植物というより、魚料理のために選ばれていた材料だった可能性があります。

別の地域では違う組み合わせが見つかりました。

ロシアのドン川流域では、淡水魚と野生のイネ科植物の種子やマメ科植物の種子を組み合わせた痕跡が確認されています。

これは、魚に草の種子や豆類を加えて煮た料理だった可能性があります。

またデンマークのSyltholm II遺跡では、ヒユ科植物の葉や茎、花といった「青菜」にあたる部分や、海浜植物の塊茎などと魚を組み合わせた痕跡が確認されました。

さらに一部の土器では乳製品由来の脂肪も検出されており、狩猟採集民が近隣の農耕民と交流し、乳製品を料理に取り入れていた可能性も示唆されています。

こうした結果が示すのは、狩猟採集民の食事が単に魚を食べるだけのものではなかったという点です。

どの植物を、どの水生資源と組み合わせるかには地域差があり、その違いは利用できる環境だけでなく、集団ごとの調理習慣も反映していた可能性があります。

そして、この研究は土器の役割についても重要な示唆を与えています。

土器によって食材を煮込んだり、混ぜ合わせたりする調理がしやすくなり、こうした複合的な料理が広がった可能性があるのです。

土器の内側に残った小さな焦げ付きは、7000年前のシェフたちの工夫を今に伝えています。

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