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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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ニューヨーク墓地の下に「550万匹のハチ」を発見ーー世界最大級のハチ集団か

2026.04.20 17:00:26 Monday

春のある日、米ニューヨーク州イサカの墓地の地下に、数百万ものハチが棲んでいると聞いたら、少し不気味に感じるかもしれません。

米コーネル大学(Cornell University)の研究チームはこのほど、イサカにあるイーストローン墓地の地下に、約550万匹もの地中営巣性のハチが生息していることを明らかにしました。

しかもこの集団は、単なる「多い」というレベルではありません。

記録されている中でも世界最大級のハチの集団のひとつとされているのです。

研究の詳細は2026年4月13日付で学術誌『Apidologie』に掲載されています。

Scientists Found 5.5 Million Bees Living Beneath a New York Cemetery https://www.sciencealert.com/scientists-found-5-5-million-bees-living-beneath-a-new-york-cemetery 5.5M ground nesting bees make home in Ithaca cemetery https://news.cornell.edu/stories/2026/04/55m-ground-nesting-bees-make-home-ithaca-cemetery
Emergence dynamics and host-parasite associations in a large aggregation of Andrena regularis (Hymenoptera: Apoidea: Andrenidae) https://doi.org/10.1007/s13592-026-01256-6

偶然の発見から見えてきた「巨大な地下社会」

この驚くべき発見のきっかけは、実に日常的な出来事でした。

コーネル大学の昆虫学研究室で働くレイチェル・フォーダイス氏は、駐車料金を節約するため、墓地を通って通勤していました。

2022年の春、彼女はその墓地で異様な光景に気づきます。

地面から次々とハチが現れていたのです。

彼女はその場でハチを瓶に集め、研究室に持ち帰りました。

「墓地のあちこちに、このハチがいるんです」

そうして調べた結果、これらは英名で「レギュラー・マイナービー(学名:Andrena regularis)」という野生のハチであることが判明します。

このハチはミツバチのように巣箱で集団生活をするのではなく、それぞれが地中に巣穴を掘って単独で暮らす「単独性」の種です。

【地中から姿を現したレギュラー・マイナービーの画像がこちら

研究チームは、この墓地一帯にどれほどのハチがいるのかを調べるため、地面に小型のテント状の「出現トラップ」を設置しました。

これは地中から出てくる昆虫を捕まえる装置で、一定期間にどれだけの個体が現れるかを測定できます。

2023年の春、約1カ月半にわたる調査の結果、16種類・合計3251個体の昆虫が捕獲されました。

その中で圧倒的に多かったのがレギュラー・マイナービーです。

これらのデータをもとに、研究者たちは1平方メートルあたりのハチの数を算出し、墓地全体の面積(約6000平方メートル)に換算。

その結果、この場所には平均で約550万匹、多い場合は800万匹近いハチが生息している可能性が示されたのです。

これは、わずか1.5エーカーほどの土地に200以上のミツバチの巣箱が密集しているのに相当し、都市の人口にも匹敵する規模です。

次ページなぜ墓地の地中が「ハチの楽園」になるのか

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