画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
space

「火星のテラフォーミング」に新たな手法を提唱

2026.04.01 17:00:24 Wednesday

テラフォーミングとは、他の惑星を地球のような人間が住める環境に変えることです。

現在、その候補の一つとして「火星」が挙げられています。

しかし、火星は現時点で、とても人間が住める環境ではありません。

平均気温はマイナス55度、気圧は地球の1%以下、水はすべて凍りつき、強烈な紫外線が地表を直撃します。

では、この過酷な惑星を人間が暮らせる環境へと変えられるのでしょうか。

そんな中、アメリカ・イギリス・ブラジルの国際研究チームは、従来とはまったく異なる新しい手法を提示しました。

それが「人工エアロゾル」を使った火星温暖化です。

研究は2026年3月23日付で学術誌『Geophysical Research Letters』に掲載されています。

Terraforming Mars: Modeling engineered aerosols to warm the planet https://phys.org/news/2026-03-terraforming-mars-aerosols-planet.html#goog_rewarded
Atmospheric Dynamics of IR-Active Particles Released From Mars’ Surface https://doi.org/10.1029/2025GL121051

火星はなぜ温められないのか?従来案の限界

火星を住める環境に近づけるためには、まず「温度」を上げる必要があります。

特に重要なのが、地表に液体の水を安定して存在させることです。

そのためにこれまで提案されてきたのが、火星の極地にある二酸化炭素の氷を溶かし、温室効果を強めるという方法でした。

有名な例では、イーロン・マスクが「核爆発で人工太陽を作る」というアイデアを提案しています。

しかし、2018年の研究によって、この方法では温暖化が不十分であることが示されています。

火星の温室効果はわずかに強まるものの、気温上昇は約10℃程度にとどまり、液体の水が存在するために必要な30℃以上の上昇には届きません。

つまり、従来の方法では「そもそも温めるエネルギーが足りない」という根本的な問題があったのです。

新提案:人工エアロゾルで「火星を温める」

今回の研究が提案するのは、赤外線を吸収する「人工エアロゾル」を火星大気に放出するという方法です。

ポイントは、太陽光ではなく「地表から逃げる熱」を捕まえることにあります。

地表は太陽に温められると赤外線を放射しますが、この熱をエアロゾルが吸収・再放射することで、温室効果を強めることができるのです。

研究では、以下のような粒子が検討されています。

・グラフェン製のナノサイズ円盤

・アルミニウム製のナノロッド

これらは太陽光よりも赤外線に強く反応するよう設計されており、効率よく熱を閉じ込めることが期待されています。

そして今回の研究の最大の特徴は、エアロゾルが単に浮かぶだけではなく、「大気の動き」と結びつく点を詳細にモデル化したことです。

次ページエアロゾルは勝手に広がり、温暖化を加速する

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

ゲーム

1位

2位

3位

4位

5位

宇宙のニュースspace news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!