「過激さ」は思想だけでなく、心のバランスの崩れから生まれる
過激主義というと、多くの人は政治思想や宗教的信念に強く染まった人を思い浮かべるかもしれません。
しかし今回の研究が注目したのは、特定の思想そのものではありません。
研究チームは、ある一つの目的や価値観だけが極端に大きくなり、生活全体のバランスを崩してしまう心理傾向を「過激なパーソナリティ」として捉えました。
普通の生活では、人は仕事、家族、健康、友人関係、趣味、社会的責任など、複数の欲求や役割の間でバランスを取っています。
ところが、ある一つの動機が異常に強まると、その目的を満たすことが人生の中心になり、他の大切な領域が後回しになります。
たとえば「この価値のためなら自分の安全を失ってもいい」「この集団のためなら苦痛を受け入れてもいい」といった考えに傾きやすくなるのです。
チームが特に重視したのは、「自分は重要な存在だと認められたい」という欲求でした。
これをチームは「意義の追求」と呼んでいます。
この欲求は、人間にとってごく基本的なものです。
誰もが、無視されたり、軽んじられたり、社会の中で存在価値がないように扱われたりすることを避けたいと感じます。
問題は、その欲求が強くなりすぎた場合です。
研究では、この「意義の追求」に加えて、屈辱や失敗、差別などによって「自分の価値が失われた」と感じる状態にも注目しました。
これは「意義の喪失」と呼ばれます。
自分の価値が傷ついたと感じた人は、それを取り戻すために、より強い所属意識や集団への同一化に向かうことがあります。
そこで関わってくるのが「集合的ナルシシズム」です。
これは、自分の属する集団を「本来は特別で優れているのに、外部から不当に扱われ、正当に評価されていない」と考える傾向を指します。
つまり、「自分はもっと認められるべきだ」という個人的な欲求が、「自分たちの集団はもっと認められるべきだ」という集団的な優越感と結びつくのです。
この組み合わせが、過激なパーソナリティの土台になる可能性があるとチームは考えました。

























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