ショート動画への没入中、自己制御を支える脳はどう動くのか
私たちは普段、誘惑を我慢したり、注意を保ったり、現在の行動が目的に合っているかを確かめたりしています。
こうした働きは「認知制御」と呼ばれ、自己制御を支える仕組みの1つです。
特に重要なのが、背側前帯状皮質(dACC)と背外側前頭前野(dlPFC)です。
dACCは行動上の間違いや葛藤を検出し、追加の注意や努力が必要かどうかを評価する働きに関わります。
dlPFCは、注意を維持し、衝動を抑え、目標に沿った行動を実行するときに働きます。
これまでの研究では、難しい問題や衝動を抑える課題を使い、これらの領域が活発になる様子が主に調べられてきました。
一方、楽しく受動的なショート動画を見ているときの反応は、十分に分かっていませんでした。
研究チームは若い成人66人を募集し、測定データの品質基準を満たした56人を分析しました。
参加者はまず、プロトン磁気共鳴分光法を使い、安静時のdACCに含まれるグルタミン酸とGABAの濃度を測定されました。
グルタミン酸は神経活動を促す方向に関わり、GABAは神経活動を抑えたり調整したりする物質です。
続いて参加者はfMRI装置の中で、複数のショート動画が流れる6分間のブロックを2回視聴しました。
興味がなければ、手元のボタンを押して次の動画へ移ることができます。
研究では、最後まで見た動画を「好まれた動画」、再生時間の半分より前に飛ばした動画を「好まれなかった動画」と分類しました。
これは本人による評価ではなく、視聴を続けたかどうかを好みの指標として使ったものです。
分析の結果、最後まで見た動画では、dACCとdlPFCの両方で活動が基準状態より有意に低下していました。
より詳しい脳活動の違いと、脳内物質との関係を次項で見ていきます。






























