パイプカットと出生率を全国規模で比較
パイプカットとは、精子を運ぶ精管を切断またはふさぐ、男性向けの永久的な避妊法です。
再建手術は簡単ではなく、成功率も100%ではないため、将来子どもを望む可能性も含めて慎重な判断が必要です。
オーストラリアでは出生率の低下が長く議論されてきました。
しかし、男性の永久避妊が近年どのように変化したのかを、出生率と並べて調べた全国規模の研究はありませんでした。
そこで研究チームは、2015年7月から2024年12月までの精管切除と出生の推移を、州・準州と年齢層ごとに比較しました。
精管切除の件数には、オーストラリアの公的医療制度であるMedicare Benefits Scheduleの請求記録を使用しました。
対象は18~24歳、25~34歳、35~44歳の男性です。
さらにオーストラリア統計局の人口データを使い、男性10万人当たりの施術率を算出しました。
出生についても、同じ年齢区分の女性10万人当たりの出生数を求めています。
季節的な変動や一時的な増減をならすため、直近12カ月分を平均する「12カ月移動平均」も用いられました。
その結果、年間施術件数は8年間で60%以上増え、人口当たりの施術率も長期的に上昇していました。
増加はすべての州と準州で確認され、施術率が最も高かったのは35~44歳でした。
一方、同じ期間に出生率は低下していました。
どの年代で変化が目立ったのか、より詳しい結果を次項で見ていきます。































