人類はいつから「時計」を使っているの?
太陽を使う「日時計」、太陽のいらない「水時計」
人類が初めて「時間を計る」システムをつくったのは約4000年前のことです。
古代エジプト人が、1日をいくつかの単位に分けるというアイデアを思いつきました。
遺跡で発見された初期の「日時計」を見ると、日中の時間を12等分にしていたようです。
日時計は棒を地上にまっすぐ立てて、影の位置や長さで時間を計ります。
しかし、日時計は季節によって日中の長さが変わるので、真冬に比べると真夏は、1時間あたり約16分ほど長くなりました。
おそらくエジプト人も「夏は時間のたつのが遅いなぁ」と思っていたでしょう。
この問題を解消するために「水時計」が作られています。
水時計は1日を24等分にし、太陽の動きと関係なく時を刻みました。
太陽が出ていなくても時間を計れるので、夜用の時計としても使われたようです。
「1秒」が誕生したとき
その後、時計は長い年月をかけて発達しますが、現代につながる時間のシステムは西暦1000年頃に誕生しました。
1日を24時間とし、それを60で2回割って、「分」と「秒」としたのです。
そのため、秒を示す英語の「セカンド(second)」は、時間を60で「2回割る(second division)」に由来します。
ここから、1秒は1日の8万6400分の1と定義されました。
しかし、これにもエジプト人が直面したのと同じ問題が見つかっています。
「1日の長さが必ずしも一定ではない」ということです。
地球の自転は、月と太陽の重力の関係でちょっとずつ遅くなっているので、100年前の1日は今より少し短く、100年後は少し長くなります。
さらに、地球の中心部も不安定な動きを見せることがあるため、自転の予測不能なスピードアップやダウンが起きる可能性もあります。
この問題を科学はどう解決したのでしょうか?