制服が学生の行動や意識に良い影響を与えることはない
調査の結果、制服を着たからといって学生の行動や意識が向上するわけではない、と判明しました。
学生が抱える不安や攻撃性、また社交性は、制服の有無で違いが生じることはなかったのです。
また学生の出席率の差は、年間で1日未満でした。
この程度の違いであれば、制服は出席率とも関係がないと言えますね。
さらに制服の有無がいじめに影響を与えることもありませんでした。
そしてなぜか、制服ありの学校に通う生徒は、制服なしの学校に通う生徒に比べて、学校への帰属意識が低かったようです。
今回の研究では、この理由を明確に説明できません。
それでもアンサリ氏は、原因を次のように推測しています。
「制服は共同体としての意識を高めると考えられてきましたが、逆効果かもしれません。
ファッションは生徒にとって自己表現の1つであり、それは学校生活の重要な一部です。
生徒が制服によって個性を発揮できないと、自分の居場所を見つけづらくなるのかもしれません」
自分の個性を表現できる機会が少ないと、「自分はいてもいなくても同じだ」と考えてしまうのですね。
さて今回の研究から、制服は学生の行動や意識に何の良い影響も与えないと分かりました。
もちろん国や文化によって影響が異なる可能性はあります。
xそれでも「制服は正義」だとする固定観念は捨てるべきなのでしょう。