培養皮膚はコラーゲンシートで修復可能
培養皮膚にはある程度の伸縮性があるため、ロボット指が関節を曲げても損傷しません。
また、表皮のおかげで撥水性をもちます。
指に水がかかっても内部に染み込んでいくことはなく、水玉を形成して流れ落ちていくのです。
まるで本物の指のようですね。
さらに2層目の培養真皮組織は、傷がついても絆創膏のようにコラーゲンシートを貼るだけで修復できます。
実験では、メスによって傷がつけられましたが、コラーゲンシートを7日間貼るだけで傷口がふさがりました。
修復された傷口は、関節運動によって再び開くことはなく、修復の過程で組織が完全に一体化したと分かります。
しかし現段階では、この培養皮膚には、栄養を絶えず供給する経路が組み込まれていません。
そのため培養液から取り出した後は、あまり長持ちしないのだとか。
仮に、この培養皮膚で覆われたアンドロイドが誕生しても、実験室の外では長生きできないのです。
とはいえ、今後の進展には大きく期待できます。
既に人間の真皮組織と表皮組織が再現できています。
あとは人工的な血管や汗腺、神経を導入できるなら、それは本物とほとんど変わらない皮膚となるでしょう。