睡眠中に血液中のがん細胞レベルは増大する
研究チームは、新しく確認された循環腫瘍細胞(CTC)の傾向をさらに詳しく調べることにしました。
そこで乳がん腫瘍をマウスに移植し、そのマウスのCTCレベルを1日中検査しました。
ちなみに、マウスの概日リズム(1日の生理的な周期。体内時計)はヒトとは異なっており、夜間に最も活動的になり、日中に休息します。
そして検査の結果、マウスの場合、CTCレベルは休息状態にある日中にピークに達すると分かりました。
しかもそのピーク時には、基準値の最大88倍ものCTCレベルが確認されたようです。
さらに別の実験も行われました。
この実験では、安静時と活動時の両方で、マウスからCTCを採取。
それぞれの細胞に異なる蛍光タグをつけ、再びマウスに注入しました。
その結果、新しい腫瘍に成長した細胞のほとんどが、安静時に採取したCTCだったのです。
つまり、睡眠中のCTCは特に転移しやすい性質をもっていることも分かります。