子どものガマン強さには「文化」が関係する?
「満足遅延」については、これまで多くの研究が行われています。
中でも、子どもがどれくらい待てるかを調べる課題として、国際的に多用されているのが「マシュマロテスト」です。
マシュマロテストは、まず、子どもの目の前にマシュマロ(他のお菓子でも可)を1つ置き、「今すぐ食べてもいいけど、食べないでガマンできたら、あとでもう1つマシュマロをあげる」と言って、実験者は部屋を出ます。
標準的には15分間をめどに、実験者が戻ってくるまで待てるかどうかが試されます。
このテストでの待ち時間は、自らの注意や思考をコントロールする認知能力の高さを反映し、この能力が、将来的な学業の成績や健康の維持、社会情緒的能力(協調性、計画性、粘り強さなどの非認知能力)の高さと関連する、と考えられています。

しかし、ここ10年ほどの研究で、子どもの満足遅延は、社会的な習慣や周囲の環境に強く左右されることが示されつつあります。
つまり、どれくらい待てるかは、それぞれの子どもに備わる認知能力だけが要因ではない、と指摘され始めたのです。
そこで研究チームは、この近年の考えを推し進めて、文化に特有の「待つ習慣」が、子どもの満足遅延にどれほど影響しているかを調査しました。
今回の実験では、日本の子どもの「待つ習慣」として、食卓文化に注目。
日本の習慣では、料理が食卓に並んでも、全員がそろって「いただきます」を言うまで食べ始めてはいけません。
それゆえ、日本の子どもは、食べ物を前にして待つことに慣れており、マシュマロテストでも待ち時間は長くなるのではないか、と予想されます。

こうした「文化の違いが待ち時間を左右する」との仮説を検証すべく、チームは米カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)と協力して、日本の4〜5歳児80名とアメリカの4〜5歳児58名を対象に、2つの比較実験を実施することにしました。

























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