子供時代の「イジメっ子」は大人になると暴力事件を起こしやすい
これまでの研究により、深刻なイジメを繰り返す子供は単に攻撃性が高いだけでなく、共感能力が欠如しており、罪悪感が極度に薄く、感情も希薄で、高レベルの冷淡さをもって他者を加害し続けることが判明しています。
このような異質な精神的特徴は反社会的傾向を持つ大人や、殺人犯罪者や深刻な暴力を繰り返す大人に見られるものと一致しています。
そこで今回、トゥルク大学の研究者たちは5400人の子供たちを対象に、親や学校に報告されたイジメの記録と、その子供たちが31歳になるまでに犯した罪の記録を調査することにしました。
「子供時代のイジメ」と「将来の犯罪行動」の間に何らかの関連があれば、データに反映されるはずだからです。
結果、イジメを行っていた子供たちはイジメを行っていなかった子供たちに比べて、成人後に暴力的な犯罪を犯す割合が高いことが判明します。
また犯罪を起こす確率は全般的に、イジメを行っていた頻度と連動していました。
特に頻繁なイジメを行っていた場合、成人後に何らかの暴力犯罪を犯す確率は、男の子では3.01倍、女の子では5.27倍に及ぶことが判明します。