子供時代のイジメは殺人などの凶悪犯罪にもつながる
さらに今回の研究では、単なる暴力犯罪だけでなく、殺人や障害が残るレベルの重度の暴行とイジメの関係についても調べられました。
結果、特に男の子において顕著な相関関係があらわれました。
頻繁なイジメを行っていた男の子たちは殺人・殺人未遂・障害が残るほどの加重暴行・過失致死などを起こす単純な確率が6.55倍、親の教育レベルや本人の精神病の影響などを取り除いても2.86倍に達していたのです。
一方、女の子の場合はイジメの頻度にかかわらず、成人後に殺人や重度の暴行事件を起こすケースは極めて稀であり、相関関係はみられませんでした。
研究者たちは発達段階(子供時代)ではイジメとして現れていたものが、成人後には殺人や暴行などに変化する可能性があると述べています。
なお今回の研究ではイジメの被害者と暴力犯罪の比較も行われましたが、関係性は低いとのこと。
研究者たちは最後に、子供時代のイジメを防止することが、将来の暴力犯罪を減らすカギになると述べました。
日本の教育現場では、イジメ問題が起きた際、学校側が事実を隠蔽するようなニュースを良く見かける印象があります。
しかし今回の研究報告は、イジメにおいて加害児童への適切な指導やケアを行うことが教育上重要であることを指摘しています。
子どもたち自身のためにも、社会全体の利益のためにも、イジメ防止について検討していかなければならないでしょう。