「匂いがしない」レビューが再び増加中
ビーチャム氏は、今月10日、2022年6月から4カ月分のデータを追加して、分析をやり直しました。
すると、ここ数カ月間で、ヤンキーキャンドルの「匂いがしない」とのレビューが増えているのに対し、感染者の報告件数は減少傾向にあったのです。
「ここ3年間、2つの曲線は、互いによく追従していたのですが、今になって急激に乖離し始めたのです」と言います。
これについて、ビーチャム氏は、感染に疑いのある人々の検査が不十分であったり、症例報告が不正確になっていることが関係しているのではないか、と指摘します。
アメリカでは現在、”脱マスク”などの感染対策の意識低下が顕著になっており、コロナどこ吹く風といった雰囲気が広がり始めています。
2022年10月10日付で発表された論文では、現在、アメリカ人の2人に1人が、自身のコロナ検査や感染状況について正確に報告しなくなっていることがわかっています(JAMA Network Open, 2022)。
しかし、Amazonレビューについては正直に報告している様子。
ビーチャム氏によると、ここ数週間で、「キャンドルの匂いがしない」という低評価レビューが再び急増し始めており、非常に気がかりだという。
10月1日のレビューを見ると、あるユーザーは「マウンテンロッジの香りを買ったが、微妙すぎる。過去35年間買ってきた他のヤンキーキャンドルと違うし、小さな部屋にさえも香りが充満しない」と述べています。
また、「スパーキングシナモン」を買ったユーザーは、10月9日に 「このキャンドルに火をつけるのを楽しみにしていたのに、期待はずれでした。香りはまったくのゼロです」と書いています。
しかし、ヤンキーキャンドルの香りはかなり強く、15メートル離れた場所でも十分に香りが届くことで知られています。
あるユーザーは「ヤンキーキャンドルの匂いがしないのなら、あなたはコロナに感染しています。検査を受け、ワクチンを摂取し、マスクをしてください」と呼びかけました。
最近、レビューに注目し始めたというアメリカ人医師のジョルジ・カバイェロ(Jorge Caballero)氏は「レビューを医療的なデータソースとして扱う価値がある」としながらも、「キャンドルのレビューは全体としてはかなりマイナーで、それにもとづく何らかの判断を下すには不十分である」と注意を促します。
「もし、ヤンキーキャンドルのデータに頼らざるを得ないのであれば、それは決して良いことではないでしょう」