「複雑で繊細な刺激」がVRにリアルな触覚を与える
私たちがVRの触覚グローブに求めているのは”リアルさ”です。
ただ「触っていることが分かる」グローブではなく、「何に触っているか判別できる」グローブが欲しいのです。
そのため、大雑把に振動したり圧力が加わったりするだけのグローブは魅力的ではありません。
人間の柔らかい肌、動物の被毛の方向、野球ボールの滑らかな球体面と縫い目など、細かな違いを体感できる繊細な触覚グローブが求められています。
では、これを実現させるにはどうすれば良いのでしょうか?
1つのポイントは、刺激の解像度を高めることにあります。
触覚グローブは人間の皮膚を機械的・電気的に刺激することで作用しますが、より多く、より複雑な刺激を与えることで、触覚のリアルさが増します。
例えば、手のひらに対して1つのポイントにしか刺激を与えられないなら、触覚グローブの装着者は、「手のひらに何かが当たったか、当たってないか」しか判断できません。
ところが、手のひらに対して100のポイントを別々に刺激できるとしたら、装着者は「手のひらの親指側を押された」「最初は指の腹で押されたが、次は爪の先端で刺された」「手のひらに文字を書かれた」などと複雑な認識が可能になります。
「解像度の高い画像」と同じように、刺激の解像度が高まれば、触覚のリアルさが大きく向上するのです。