猫に指先を舐められる「くすぐったい触覚」までも再現可能
新しい触覚グローブはメタバースにリアルな触覚を与えてくれます。
1つ目の実験はVRで行われました。
例えば、VRショップでユーザーが服の質感を感じ取ることに成功。
またユーザーは、VR猫を撫でるときの撫でる方向や速度によって被毛の触り心地が変化することを実感できました。
さらに、VR猫に指先を舐められるときの「くすぐったい感覚」も再現されたようです。
これだけでも多くの人の望みをかなえられますが、実はもっと多彩な応用が可能です。
2つ目の実験では、指先に与えられる刺激だけで文字を当てることに成功しました。
背中に文字を書いて当てる「背文字当てゲーム」の指先版だと言えるでしょう。
このシステムを応用するなら、視覚障がい者が点字を学ばなくても文字や文章を読むことができます。
特に人生の後半で失明した人々にとって、点字ではなく慣れ親しんだアルファベット・ひらがなが使えるというのは大きなメリットです。
3つ目の実験では、分厚い触覚グローブをつけた状態で、現実の細かな作業が行われました。
ここではグローブを付けたまま半径わずか1mm、厚さ0.44mmのワッシャーを素早く見つけることに成功しました。
普通の分厚いグローブをはめただけでは、小さな物体を触っても全く気づきません。
しかし新しい触覚システムを導入するなら、分厚いグローブの表面がとらえた微小な刺激を、グローブ内部の人間の皮膚に正確に伝えられるのです。
これを応用すれば、宇宙飛行士、消防士、ダイバーなど分厚い防護服やグローブを着用して作業する人々の感覚を高めることができるでしょう。
VRに繊細な触覚を与えてくれる新しいグローブは、メタバースの没入感を高めるだけでなく、現実世界のさまざまな分野でも活躍する可能性を秘めています。