窓内部の温水利用でエネルギー使用率が25%低減する
冬は、WFG窓の水が「室内から逃げる熱」と「太陽から降り注ぐ熱」の両方を吸収。
建物内でも日が当たらない部分の冷水と入れ替えることができます。
日光がよく当たる南向きの窓で作られた温水を床下の水と入れ替えて、床暖房のような効果を生み出すこともできるでしょう。
また、昼間に蓄えた温水を極寒の夜まで貯蔵しておき、パイプに送り返して部屋全体を温めたり、温水としてそのまま利用したりできます。
ちなみに、冬場の凍結を防ぐため、WFG窓は3層のガラスが重なった「トリプルガラス」になっています。
1つの隙間には水、もう1つの隙間には高い断熱性をもつアルゴンガスが充填されているのです。
Water-Filled Glass社は、「この3層構造により、氷点下の気候でも窓内部の水が氷ることはないだろう」と主張しています。
また標準的な窓と比較した場合、エネルギー使用率を約25%削減できると推定しています。
ポンプを稼働させるために余分のエネルギーが必要ですが、冷暖房を節約できるので、全体としては使用エネルギーが削減されるというのです。
さらに、断熱のために窓を着色したり、外部シェードを取り付けたりする必要がないので、窓本来の透明度が保たれ、窓からのぞく景色を楽しめるというメリットもあります。
このシステムには自動で水を綺麗に保つための監視装置が取り付けられており、年に 1 回の保守点検で維持できるとのこと。
現在、WFG窓が実装されたプロトタイプの建物「ウォーターハウス2.0」が台湾で完成しており、その姿を見ることができます。
加えて最初の商業プロジェクトも進行中であり、WFG窓を採用したハンガリーの工業ビルとアメリカの集合住宅が建設中です。