科学的な功績を男性に奪われた女性たち
科学的な功績を男性に奪われた女性たち / Credit: National Science Foundation
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偉大な功績を男性に奪われた「女性発明家ランキングTOP10」

2021.10.30 00:00:00 Saturday

歴史を振り返ってみると、人類社会には古くから女性差別が存在していました。

時が経ってもそれは変わらず、性差別は科学分野にもおよんでいます。

男性は、聡明な女性たちの科学的発見や偉大な発明をひた隠しにし、自分たちの功績にしようとしたのです。

その陰で、不当に評価されてきた女性たちは数知れません。

そこで今回は、男性の功績にされているが、本当は女性が発見・発明したものトップ10を紹介していきます。

10 Inventions and Theories Made by Women but Credited to Men https://listverse.com/2021/09/17/10-inventions-and-theories-made-by-women-but-credited-to-men/

第10位 エスター・レーダーバーグ「ラムダファージ」

1950年代に撮影されたレーダーバーグの写真
1950年代に撮影されたレーダーバーグの写真 / Credit: National Science Foundation

エスター・レーダーバーグ(1922-2006)は、アメリカの微生物学者であり、意志の強い野心的な女性でした。

当時は、女性が家の外で仕事をするのは珍しいことと考えられていました。

ましてや、男性が主流となっていた科学分野では尚更です。

レーダーバーグは、家族や友人、教授から科学の道に進むのはやめるよう説得されましたが、頑として聞きませんでした。

結局、彼女は夫の助けもあり、スタンフォード大学の微生物学の研究室に入ることができました。

そこで彼女の才能はまたたく間に開花します。

最初の大きな功績は「ラムダファージ(λファージ)」の単離です。

ラムダファージとは、大腸に感染するスティロウイルス科のバクテリオファージのこと。

バクテリアに侵入し、そのDNA内に住むことができる生物として初めて認められたものです。

また、一次ペトリ皿の微生物コロニーを二次ペトリ皿に再現する「レプリカ平板法」も彼女と夫により発見されたものです。

しかし、その功績でノーベル賞を受賞したのは夫のジョシュア・レーダーバーグだけであり、彼女はまったく評価されませんでした。

第9位 ジョスリン・ベル・バーネル「パルサー」

若き日のジョスリン・ベル・バーネル
若き日のジョスリン・ベル・バーネル / Credit: Cambridge University/youtube

イギリスの天体物理学者であるジョスリン・ベル・バーネル(1943-)は、24歳の若さで在籍していたケンブリッジ大学を代表する科学者でした。

2年間ノンストップで研究を続けてきた彼女にとって、最大のブレークスルーが1967年に訪れます。

施設内の電波望遠を担当していた彼女は、電波による奇妙なマークを発見したのです。

それは今までに見たことのないもので、パルス状のコンパクトな天体が自転し、両極から放射性物質を放出していました。

これが歴史的なパルサーの発見です。

彼女は当時、アントニー・ヒューイッシュという男性研究者の下で作業をしていました。

そして、彼女の功績にもかかわらず、ノーベル賞は1974年にヒューイッシュに授与されてしまったのです。

第8位 6人の女性プログラマー「エニアック」

2人のプログラマーがENIACの制御パネルを操作する様子
2人のプログラマーがENIACの制御パネルを操作する様子 / Credit: ja.wikipedia

第二次世界大戦が始まると、アメリカ陸軍の技術部門では、募集できる男性がいなくなり、最終的な手段として女性の募集を始めました。

結果、キャスリン・マクナルティ、フランシス・ビラス、ベティ・ジーン・ジェニングス、ルース・リヒターマン、エリザベス・スナイダー、マーリン・ウェスコフの6名の女性が選抜されています。

彼女らは、戦争に役立つとされていた大型の電子計算機ENIAC(エニアック、Electronic Numerical Integrator and Computer)」のオペレーターを担当することになりました。

機械の不具合の点検や修復、処理能力を上げるためのプログラミング、高度な計算を行うための配線など、エニアックに関わるあらゆる業務をこなしています。

ところが、エニアックは、他の3人の男性技術者による技術発明であるかのように報道され、6名の女性の努力は完全に無視されてしまったのです。

第7位 ネティー・スティーブンス「性染色体」

ネティー・マリア・スティーブンス
ネティー・マリア・スティーブンス / Credit: Britannica

ネティー・マリア・スティーブンス(1861-1912)は、20世紀を代表するアメリカの遺伝学者の一人です。

彼女はスタンフォード大学を卒業後、35歳という比較的遅い年齢で科学の世界に足を踏み入れました。

生物の胚の性別がどのように決まるかについては、それ以前にもさまざまな説が発表されてきました。

しかし彼女は、オスとメスのミールワームを調べる中で、20番目の染色体の大きさが違うことに気づきます。

彼女は、この違いが胚の性別を決定するという仮説を立て、それが後に真実であることを証明しました。

これが「性染色体」を発見した歴史的瞬間でした。

ところが、この発見は彼女の功績にはならず、彼女の師匠であり同僚でもあったE.B.ウィルソンのものとなっています。

次ページ第6位 メアリー・アンダーソン「ワイパー」

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