鏡像が重なり合わない条件とは
先程説明した鏡像が重なり合わなずに、線対称で反射しあってもピッタリ重なり合うためには、万華鏡内の鏡で作る三角形の角度を調整することが必要です。
まず、その三角形をぐるりと円形に並べてもずれないためには、三角形の角度すべてが360度で割り切れなければなりません。
そうしないと、下図のようにズレが生じます。

また、鏡像が折り重ならないためには、三角形を並べたときに三角形が偶数枚になることが必要です。
そうしないと、下図のように線対称に並んだ鏡像が重なり合いブレが生じます。

これを防ぐためには、360度を三角形の角度で割ったとき、三角形のすべての角度において偶数にならなければなりません。
この2つの条件を満たす角度を探していきましょう。
この条件を満たす三角形を絞っていくと、三角形の種類は以下の3種類だけとなります。
- 30度、60度、90度
- 45度、45度、90度(直角二等辺三角形)
- 60度、60度、60度(正三角形)
つまり、正三角形、直角二等辺三角形、直角三角形(30度、60度)であれば、ズレが生じることなくキレイに鏡像を重ねることができるのです。


このように、鏡にうつすように回転させていっても画像の向きや方向が変わらないような性質を、回転対称性があるといいます。
同じく回転対称性がある図形には、上記3種類の三角形に加え長方形や正方形も該当します。
そのため、鏡を4枚用意し長方形や正方形にする方法でも、鏡像にズレもブレも生じさせないようにできます。
ただ、そうすると下図のように、鏡像が格子状に並んでいる単調なものになってしまいます。

万華鏡独特の美しさを味わうためには、三角形にしたほうがより幻想的で美しいものになるのです。