縁ありのメガネをかけると魅力度が低くなる
実験の結果、眼鏡ありの時と比較して、眼鏡なしの時に魅力度と親しみやすさが高いことが確認されました。
一方で、眼鏡あり時には、眼鏡なしの時と比べて、より知的で、成功しているように見えることが分かったのです。
しかし縁なし眼鏡に関しては、眼鏡ありで見られた魅力度の低下がなく、眼鏡なしの時と同程度に魅力度が高いと評価されました。
さらに縁あり眼鏡と眼鏡なしの時と比べて、信頼性が高い印象を与えることもわかっています。
この結果は、顔の造形や髪型と同じように眼鏡の有無と縁の有無によって顔の印象が変化することを示しています。
ではなぜこのように眼鏡の有無で顔の印象に差が生じるのでしょうか。
研究チームは「眼鏡が顔の印象をどのように変えるかは、私たちが持っている、眼鏡をかけている人は知的で信頼できる人というステレオタイプに沿って変化している」と述べています。
つまり概ねどのような印象を抱かれるのかは、多くの人が簡単に連想できるようなステレオタイプから推測ができるということです。
しかしメガネの縁の有無で、魅力度と信頼性が違うという、予想もしなかった結果が実験を通して出てくるのが、興味深いところと言えるでしょう。
また縁あり眼鏡が魅力度の評価を低下させた理由としては、「健康的な個体」ではないとの印象を抱かれたからではないかと考えられています。
個体の健康度合いは、魅力度を評価する際に重要な要因です。
それ故、縁あり眼鏡をかけている人は、視力が悪いをことを示唆し、魅力度評価に影響したのではないかと考えられます。縁なし眼鏡は、縁あり眼鏡よりも存在感が薄く、魅力度を下げるに至らなかったのでしょう。
この検証結果をうまく活用すると、相手からどういう印象を持ってほしいかで、眼鏡をかけるか? あるいはどんなタイプの眼鏡を選ぶか? という判断がしやすくなるかもしれません。
たとえば、教師や医師、弁護士など相手に知性を感じさせる必要がある場合は眼鏡をかけ、一方で店舗の販売員や保育士などの親しみやすさが重要な場面では眼鏡をかけない方が良いかもしれません。
しかし知性と魅力度の高さが必要とされる場面では、縁なしの眼鏡のほうがいいでしょう。
縁なしの眼鏡は、知的で、成功しているように見える眼鏡のプラスの効果を得つつ、より誠実で魅力度が高い印象を与えることができるため、より適切であると考えられます。