「100%フルーツジュースの飲み過ぎ」はBMIを増大させる
メタ分析の結果、子供の場合、100%フルーツジュース摂取量と体重増加の間には、相関関係が認められました。
そして1日あたりの100%フルーツジュース摂取量が、約240ml増加するごとに、BMI(肥満度を表す体格指数)が0.03高くなることが示されました。
成人においては、子供の場合ほど明確な結果とはなりませんでした。
当初、カロリーの測定方法にばらつきがあったため、摂取量と体重増加に関する有意な関連性は認められなかったのです。
しかし、測定方法を調整した再分析では、大人でも、1日あたりの100%フルーツジュース摂取量が約240ml増加するごとに、BMIが0.02高くなるという結果が得られました。
BMIは 体重(kg) ÷ 身長(m)2で表され、BMIの標準は18.50~25.00です。
例えば、体重50kgで、身長1.6mの人は、19.50となり標準体型と言えます。
仮にこの人の体重が10kg増えたとしても、BMIは23.43であり、標準体型内に収まります。
そう考えると、フルーツジュース240mlごとにBMIが0.02もしくは0.03増えることは、非常に些細な問題に思えるかもしれません。
しかしある研究者は、フルーツジュースを飲む習慣のある人は、1日にもっと多くの量を飲む傾向があると指摘しています。
確かに誰かが、倍量である500mlの100%フルーツジュースを飲んでいたとしても不健康だとは思いませんね。
しかし、それだけでもBMIは0.04~0.06増えることになります。
しかもリンゴジュースであれば、これだけで250kcal(白米茶碗1杯分のカロリー)を摂取することになり、体重が増加するのも不思議ではありません。
また100%フルーツジュースには、製造の過程で、本来果物に含まれている食物繊維が取り除かれているというデメリットがあります。
そして瞬時に多くの量を摂取できるため、血糖値が急上昇してしまうのです。
確かに、100%フルーツジュースを飲むことは、あまり健康的ではない果物の摂取方法だと言えますね。
そのため研究チームは、結論として、肥満を防ぐためにも100%フルーツジュースの摂取には、いくらか制限が必要であることを認めています。
特に子供の健康を気遣う親たちは、子供にフルーツジュースを与えるのではなく、適切な量の果物を与えるべきでしょう。
厚生労働省が推奨する果物の摂取量を満たすために、「毎日フルーツジュースを飲む」のではなく、「毎日果物を食べる」と良いのです。
もちろん、「フルーツジュースをたまに楽しむ」くらいであれば、大人でも子供でも問題はないはずです。
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