信頼遺伝子は「闘争・逃走反応システム」を抑制している
信頼遺伝子(PLPP4)はどんな仕組みで「信じる力」を発生させているのか?
研究者たちは、そのヒントが「信じる力」と健康の不思議な関係にあると述べています。
これまでの研究により、見知らぬ人を「信じる力」が強い人々は、疑い深い人に比べて寿命が長く、心血管疾患のリスクが低いことが示されています。
信頼遺伝子(PLPP4)は主に脳で働いていると考えられており、研究者たちは信頼遺伝子(PLPP4)が何らかの形で闘争・逃走反応システムの働きを和らげるのではないかと予測しています。
その理由は、闘争・逃走反応システムが動物の原始的な感情を司っており、脅威に出会ったときの態度に大きく影響を与え、警戒心の源泉としても機能しているためです。
闘争・逃走反応システムの働きが低ければ警戒心も低くなり、その副作用で信頼のしやすさに貢献すると考えられるのです。
自然界においては闘争・逃走反応システムは、捕食される危険性を下げてくれるため有効です。
しかし個人の健康という側面からみれば、闘争・逃走反応システムの弱さはストレスレベルを引き下げ、健康レベルに大きな恩恵をもたらします。
実際、見知らぬ人への信頼が強い人は、神経症・抑うつ症状・うつ病・ADHDなどになる傾向が低くなっていました。
(※ただし見知らぬ人への信頼の強さは、統合失調症と正の相関関係がありました)
研究者たちは、見知らぬ人を信頼できる特性がストレスに対する緩衝材として機能し、心血管疾患やうつ病のリスクを下げている可能性があると述べています。
もし将来的に、信頼遺伝的の働きを強化する薬を作ることができれば、心臓病を予防したりうつ病の改善を促せるようになるかもしれません。
是非とも頑張ってください