画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
animals plants

ジブラルタルの猿が「土を食べる」ようにーー原因は「観光客」にあった?

2026.04.25 12:00:05 Saturday

イベリア半島の南東端にある岩山、ジブラルタル。

ここに暮らすサルたちのあいだで、ちょっと奇妙な行動が広がっています。

それは「土を食べる(ジオファジー)」という習慣です。

一見すると異様に思えるこの行動ですが、実は単なる奇行ではありません。

英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の最新研究で、この行動の背後には「人間との関わり」が深く関係している可能性が浮かび上がってきました。

では、なぜサルたちは土を食べるようになったのでしょうか。

研究の詳細は2026年3月19日付で学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

Gibraltar’s monkeys eat mud ‘to avoid upset stomachs from tourist junk food’ https://www.theguardian.com/world/2026/apr/22/gibraltar-monkeys-eat-mud-avoid-upset-stomachs-tourists-junk-food Monkeys In Gibraltar Have Learned To Eat Soil To Cope With Their Human Junk Food Problem https://www.iflscience.com/monkeys-in-gibraltar-have-learned-to-eat-soil-to-cope-with-their-junk-food-problem-83273
Geophagy in Gibraltar Barbary macaques is a primate tradition anthropogenically induced https://doi.org/10.1038/s41598-026-44607-0

観光客が変えた「サルの食生活」

研究の対象となったのは、ジブラルタルに生息するバーバリーマカク(Macaca sylvanusです。

この地域には約230頭のサルが暮らしており、観光地としても有名なため、人間との接触が非常に多いことで知られています。

本来、彼らは果物や植物、種子などを食べる動物です。

しかし現実には、観光客から食べ物をもらったり、時には奪い取ったりすることで、アイスクリームやチョコレート、ポテトチップスといった「人間のジャンクフード」を日常的に口にしています。

チームは2022年夏から2024年春にかけて、98日間にわたってサルたちの行動を観察しました。

その結果、44頭のサルが合計46回にわたり土を食べる様子が記録されています。

ここで重要なのは、この行動がランダムに起きているわけではないという点です。

観光客が多く集まる岩山の頂上付近に住むサルほど、

・ジャンクフードの摂取量が多く

・土を食べる頻度も高い

という傾向がはっきりと見られました。

実際に土を食べる映像がこちら。

さらに、観光客が増える夏のシーズンには土食いが増え、冬の閑散期には減少します。

つまり、土を食べる行動は「人間から得る食べ物の量」と強く連動していることが明らかになったのです。

次ページ土は「胃薬」なのか?サルたちの適応戦略

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!