小石を「クチバシ代わり」に使うことが判明
ブルースは2013年の幼鳥時に、ニュージーランド南島にあるアーサーズ・パス国立公園にて、クチバシの上半分が欠損した状態で発見されました。
何が原因でクチバシを失ったのかは不明ですが、研究チームは、害獣捕獲用のトラップで事故を起こしたのではないかと考えています。
ブルースは動物病院で治療を受けた後、ウィローバンク野生動物保護区に移され、今日に至ります。
普段の食事では、クチバシを使わなくても食べられる柔らかいエサを与えていますが、ブルースは硬い食べ物でも硬い場所に押し当てて食べることを覚えたそうです。
ブルースが欠損部位を道具で補っていることに飼育員が気づいたのは、2019年末のことでした。
ブルースは、上のクチバシの代わりに舌を巧みに使って、果物や小物、木の枝を挟むことができます。
そして、この行動の際は、ほぼ必ず小石を使って毛づくろいをしていたのです。
これに注目した研究チームは、この行動が意図的であることを確かめるべく、調査を開始。
保護区内の鳥小屋で、9日間にわたる観察を行いました。