アルコールとエナジードリンクの危険な「カクテル」
色んな種類のお酒を飲む行為を「ちゃんぽん」と言ったりしますが、「ちゃんぽんすると悪酔いする」という話はよく耳にします。
ちゃんぽんの危険性については医学的にも研究されており、特定の成分がアルコールの吸収速度を変えることが知られています。
例えば、炭酸飲料を含むお酒(ビールやシャンパン)は、胃の内容物を早く腸に送るため、アルコールの吸収が速くなります。
一方近年では、アルコールとエナジードリンクを混ぜて飲む行為の危険性が注目されています。
この組み合わせは一般的に「コカボム」や「レッドブルウォッカ」などと呼ばれ、特に若者の間で人気があります。
2000年代後半には、フォーロコやスパークスなど、エナジードリンクとアルコールを一緒にパッケージした缶入り飲料が市場に溢れ、人気を博しました。
しかし、2010年に食品医薬品局(FDA)と連邦取引委員会(FTC)は、これらの飲料を製造する企業に対して警告を発しました。
これらの飲料が健康に及ぼす危険性が指摘されたためです。
エナジードリンクは、カフェイン、砂糖、タウリン、ガラナ、ビタミンBなどの成分を高濃度に含んでおり、エネルギーや注意力、身体能力を高めるために作られています。
しかし、エナジードリンクがアルコールの鎮静効果を覆い隠し、飲んだ量を意識しにくくするという問題があります。
エナジードリンクに含まれる非常に高濃度のカフェインは、アルコールの眠気効果を鈍らせるため、「完全に酔っている」状態を自覚しにくくします。
その結果、飲み過ぎたときに体が通常送る信号を見逃し、通常よりも多くのアルコールを摂取してしまう可能性があります。
これらの特定のドリンクが市場から撤退したとしても、エナジードリンクとアルコールを混ぜるカクテルは依然として簡単に作れるため、若者を中心に人気があります。
アルコールには鎮静作用があり、リラックスした気分にさせる一方で、疲労感を感じさせる残留効果もあります。
リラックスしたいが疲れたくないという人は、興奮剤であるカフェインを加えることで気分を盛り上げ、疲労感を感じずにリラックスした気分を楽しむことができます。
しかし、研究者の中にはアルコールとカフェインの組み合わせを「最悪の組み合わせ」と表現する人もいます。
そこで今回、カリアリ大学の研究者たちは、アルコールとエナジードリンクが脳に与える影響を調べるため、ラットを用いた実験を行いました。