アルコールとエナジードリンクの組み合わせは脳に永続的な後遺症を残す
この研究では、生後28日の若いラットを用意し、それぞれのラットの胃に直接チューブを挿入して、アルコール、エナジードリンク、およびその混合液を投与しました。
投与されたアルコールの濃度は20%で、エナジードリンクは「レッドブル」として知られる高カフェイン飲料が使用されました。
ラットたちは生後37日になるまでこれらの飲料を与え続けられました。
その後、大人になったラットたちに対して、活動力や記憶能力のテストが実施されました。
このテストにより、若い時期にアルコールやエナジードリンク、またはその組み合わせを摂取し続けた場合の長期的な影響を調べました。

結果として、エナジードリンクだけを与えられたグループは他のすべてのグループよりも活動的である傾向が見られましたが、新しい物体を認識するテストでは成績が悪いことが判明しました。
一方、アルコールとエナジードリンクを混ぜて与えられたラットは、生後40日目には脳のシナプスの可逆性(シナプスが変化しやすい状態)が増加したことが確認されました。
シナプスの可逆性が高い脳は、新しい神経接続が作られやすく、新しい記憶や概念を認識するのに有利とされています。
しかし、生後60日目から90日目になると、このグループのラットではシナプスの可逆性が他のグループに比べて減少することが明らかになりました。
また、ニューロンの成長、維持、生存に重要な役割を果たすタンパク質である脳由来神経栄養因子(BDNF)のレベルを分析したところ、このグループのラットでは生後40日のときにBDNFレベルが上昇し、生後60日のときに低下する傾向が示されました。
脳由来神経栄養因子(BDNF)は、ニューロンの成長、維持、生存に重要な役割を果たすタンパク質です。
BDNFのレベルが高い場合、ニューロンの成長を促進し、シナプスの可塑性(シナプスが変化しやすい状態)を向上させます。
これにより、新しい神経接続が形成されやすくなり、学習能力や記憶力が向上します。
また、BDNFはストレスに対する耐性を高め、精神的な回復力を強化する役割も果たします。
一方、BDNFのレベルが低い場合、記憶力やストレス耐性が低下し、うつ病などの精神疾患のリスクが上昇することが知られています。
これらの結果は、アルコールとレッドブルの組み合わせが一時的に脳機能を向上させるものの、長期的には有害な影響をもたらすことを示しています。
特に、若い時期にこのような飲料を摂取することは、脳の発達に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
研究者たちは「エナジードリンクを混ぜたアルコールを大量に摂取すると、分子レベルで海馬(記憶形成に重要な脳の領域)に変化が生じ、海馬の可塑性に永久的な影響を及ぼす可能性がある」と述べています。




























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ええやん