男性は退屈より「電気ショック」を選んだ!
まず事前の準備として、参加者たちには体に害はないが痛みの強い電気ショックを受けてもらい、「この電気ショックを避けるためなら5ドルを支払ってもいいと思うか」と質問しました。
すると、ほとんどの参加者は「Yes」と回答。
この電気ショックがお金を払ってでも避けたいレベルの不快な痛みであることが確認されています。
その後、参加者は先ほどまでと同じように、何もない小部屋に入れられて15分間一人で考え事をしたり、空想にふけるよう指示されました。
ただしこのとき、「希望する場合は電気ショックのスイッチを好きに押してもいい」と言われています。
その結果、非常に興味深いことに、男性の多く(67%)は退屈な時間を避けるために、少なくとも1回は自らに電気ショックを与えることを選んでいたのです。
電気ショックの平均回数は1.47回でしたが、中には15分間に190回もの電気ショックを与えた男性もいたという。
ただこの男性は例外すぎるので、データの平均値からは除外されています。
一方で、女性の参加者には電気ショックを選択する強い傾向は見られませんでした。
女性の中にも4分の1程度は電気ショックのスイッチを押した参加者がいましたが、男性ほど多くはなかったのです。
この結果を受けて、バージニア大学の心理学者で研究主任のティモシー・ウィルソン(Timothy Wilson)氏は「男性にとって何もしないでいることは『お金を払ってでも避けたい』と事前に答えていた電気ショックを自らに与えてしまうほど苦痛を覚える時間と見られる」と話しています。
では一人で何もしないでいることが、電気ショックを自らに与えるほど嫌がられるのはなぜでしょうか。
その理由についてウィルソン氏らは、男性の多くが意味や目的が欠如している状態を嫌うからではないかと推測しています。
「男性は自発性を発揮できず、自分がコントロールしているという感覚が持てない環境を嫌っているのかもしれない」と同氏は述べています。
そのような状態に陥るくらいならば、たとえ痛かったり辛い経験だとしても、男性の多くは何らかの経験をすることを選ぶ傾向にあると考えられるのです。
もちろん、たった一人で何時間でも考え事に没頭できる人は男性にも女性にもたくさんいます。
しかし男性の多くは何もしないでジッとしていると、心の奥底の”冒険心”や”好奇心”がうずくのかもしれません。