頓挫するハイパーループ・プロジェクトと中国の「T-Flight」
減圧チューブの中を高速で走らせる鉄道と言えば、2013年にアメリカの実業家イーロン・マスク氏が発表した「ハイパーループ」プロジェクトが有名です。
ハイパーループは、減圧したチューブの中を乗車用ポッドが空気抵抗や摩擦を受けずに走行する交通手段として掲げられました。
この仕組みは、既存の高速鉄道と比較してエネルギー効率が高く、「超音速で人や物を運ぶことができる」と考えられています。
関係者たちは、「このハイパーループは時速1220kmで走行できる」と主張しています。
日本で現在計画中のリニア中央新幹線は世界最速レベルであり、時速500kmで東京・大阪間を運転する予定です。
このことを考えると、ハイパーループは実現すれば、私たちの移動の常識を大きく覆すものになるでしょう。
しかし、これまでに立ち上がった様々なハイパーループのプロジェクトにおいて、その多くが技術的な課題により頓挫しています。
それでも韓国では、ハイパーチューブと呼ばれる韓国型ハイパーループの開発が予定されており、2040年の導入を目指しています。
そして中国では、ハイパーループとはやや異なるものの、その流れを汲みつつ、最高速度「時速1220km」をはるかに凌駕する別の鉄道プロジェクトが立ち上がっています。
それが、減圧チューブの中を磁気浮上によって走る「T-Flight」です。