減圧チューブ内を走る「時速4000kmの磁気浮上式列車」
リニア中央新幹線(リニアモーターカー)では、車両に「超電導磁石」が取り付けられており、線路の側壁には「推進コイル」と「浮上・案内コイル」が設置されています。
これらが吸引・反発する作用を用いて車両を10cm浮かせたり、推進させたり、車両を線路の中央に位置するよう誘導したりするのです。
このような磁気浮上式鉄道では高速移動が可能になり、騒音や振動も少ないというメリットがあります。
そして現在中国が開発している「T-Flight」では、ハイパーループのような減圧チューブの中を、磁気浮上式で走行させます。
減圧チューブの中は大気がほとんどない(推測では、地上の気圧の7%程度)ため、空気抵抗が大きく低減されます。
また、磁気浮上式であるため摩擦による抗力や熱も抑えられるでしょう。
これにより2024年2月には、テスト第一段階としてT-Flight試作機が2kmの距離を時速623kmで走行することに成功しました。
また、このテスト中では減圧関連のシステムを含む、すべてのシステムが正常に動作することも確認されたという。
試作機の段階とはいえ、既にリニア中央新幹線を越えたスピードに達していますね。
今後行われる第二段階のテストでは、T-Flightを時速1000kmで走行させる予定です。
ただし、これを実現するには、少なくとも60kmにわたる長距離コースが必要であり、テストが行われるのは、いくらか先のことになるでしょう。
そして2017年の中国航天科工集団(CASIC)の動画では、時速4000kmを目指すと述べられています。
この桁外れな速度が本当に実現するかどうかは疑わしいものですが、現在取り組んでいる時速1000kmを達成した際には、いくらか現実味を帯びた言葉として聞こえるでしょう。
仮に時速4000kmを達成できたとすると、単純計算で、東京から大阪まで(直線距離400km)6分で到着することになります。
新幹線「のぞみ」であれば2時間30分かかる距離を、10分以内で走行してしまいます。
もちろん、これは単純計算した話であり、日本の国土でこの速度を出すのは、加速や減速の手間も考慮するとあまり効率が良いとは言えません。
このような超高速な乗り物は、長大な距離を結ぶ大陸鉄道ならではの発想でしょう。
一方で、多くの人が感じるように、このプロジェクトが本当に成功するのか、またプロジェクトを続けるための資金を入手し続けることができるのか、疑問が残ります。
また安全性に関する懸念もあります。
もしこんな速度で、走行中に予期せぬトラブルが生じた場合、車両がそのまま「巨大レールガンの弾丸」になりかねません。
乗客どころか周辺地域にも甚大な被害を及ぼす恐れがあります。
いずれにしても、世界最速を目指す中国版ハイパーループ「T-Flight」が今後どう実現されるのかは、技術的に興味深いですね。
減圧してるのにどうやって避難すんの?
リニアが出来た頃にはこっちも出来てそうな勢いだね
小学生の頃にワクワクして聞いたリニアが中年も過ぎた今まだ実現してない事がなんか悲しい
人体に影響のない加速度にしたら
最高速度に到達する前に次の駅に着くやろ
停電対策は、どのように考えているのでしょうか。
非常に気になります。