火星のテラフォーミングは非現実的!?
「赤い惑星」とも呼ばれる火星は、テラフォーミングの最有力候補だと考えられています。
それでも今のところ、火星は人類の居住には適していません。
まず、火星の表面温度は平均-60℃(マイナス60度)であり、地球の平均気温(14℃)と比べると、大きな差があります。
また地球海面上の気圧が1013hPaなのに対し、火星の大気はわずか6~7hPaです。
しかもその95%が二酸化炭素で構成されており、酸素は0.13%しか含まれていません。
火星は大気が非常に薄く、酸素もほとんどないのです。
さらに人類に不可欠な水は、火星の地下に氷の状態で閉じ込められていると言われています。(最近では液体の水が存在している可能性も示唆されています)
このため、火星を水で満たすために火星を温暖化させようというアイデアが昔から存在しています。
例えばこれまでには、「小惑星や彗星を火星の表面に衝突させて、水蒸気やその他の温室効果ガスを放出させる」というアイデアがありました。
また、「強力な温室効果ガスであるフロンを排出する工場を火星に建設する」というアイデアもありました。
ちなみに火星では材料となるフッ素が希少なため、火星でフロンを製造するには、地球から膨大な量のフッ素を運ばなければいけません。
いずれにせよ、非現実的な計画だと言えますね。
そんな中、アンサリ氏ら研究チームは、「より現実的な(と主張する)」火星温暖化計画を発表しました。