「意見が異なる相手」の考えを推論する実験
自分とはまったく異なる考えの人間と話し合うとき、あなたはおそらく相手がなぜその様に考えるのかを推測しながら議論しようとするはずです。
冷静に議論を進めるならば、相手の考え方をトレースし、きちんと相手の事情も理解した上で話す方が理性的ですし、それが大人の対応とも言えます。
しかし、反対意見を持つ相手の考えを推論するとき、私たちはどの程度正確に理解できているものなのでしょうか?
今回、ペイン氏ら研究チームは、人々が他人の考えを推論する時にどのような傾向が生まれるのか調査しました。
アメリカから256人の参加者が募集され、彼らが持つ政治的見解において、保守主義(右派)のグループとリベラル(左派)のグループに均等に分けました。
彼らには、さまざまな政治的なトピック(例:移民は社会に有益である)が提示され、それぞれにどの程度同意するか5段階(強く同意~強く反対)で評価してもらいました。
そして参加者たちは、意見が同じ2人、または意見が対立する2人でグループを作り、別のトピックに対して相手の意見を推測し合いました。
ちなみに参加者たちは、相手の意見を予測するために、他のトピックにおける相手の回答を最大5つまで受け取ることができました。
また彼らは、自分の推測にどれほど自信を持っているかも報告しています。
この実験により、相手の意見を推測する際の精度や条件などを明らかにできるはずです。