クルーズ客船を真っ二つにする工事は経済的
巨大クルーズ客船の需要は増加していますが、新しい船を建造することは簡単ではありません。
例えば、世界最大のクルーズ客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」は、建造開始から進水(建造した船を水上に浮かべること)まで約2年半もかかりました。
しかもその建造には約20億ドル(約2900億円)かかったとも言われています。
では、もっと安価で素早く、巨大なクルーズ客船を建造する方法はあるでしょうか。
実は、「ジャンボ化」とも言われる「船体延長工事」を行えば、安く、そして早く、巨大クルーズ客船を建造できます。
これは巨大なクルーズ客船を一から建造するのではなく、「既存のクルーズ客船を延長する」という方法です。
既存のクルーズ客船を半分に切断し、その間にぴったりと合うような追加の船体を差し込むという大胆な手法です。
そしてこの船体延長工事を採用するなら、あるケースでは、平均8000万ドル(約116億円)の費用と2カ月の休止期間だけで、クルーズ客船を巨大化させられます。
もちろん、費用はクルーズ客船の規模によって様々ですが、新しく巨大クルーズ客船を造るよりもはるかに安くなります。
しかも、運航をすぐに再開できるため、数年以内にすべての運営費を回収できます。
またこの工事を行う際に既存部分の整備も行うことで、全体としてクルーズ客船の寿命を20年延ばすことができるという。
しかも既存の乗組員に、僅かなスタッフを加えてトレーニングするだけで、すぐに運航を開始できます。
まさにクルーズ客船業界にとって、現在の需要を満たすピッタリの方法だと言えます。
では、この船体延長工事はどのように行われるのでしょうか。
実際の映像から確認してみましょう。