なぜ犬は黄色に惹かれるのか?
今回の研究では、犬が「黄色」に強く惹かれる理由について、いくつかの仮説が挙げられています。
その一つが「生態学的価値(ecological valence)」という理論です。
この考え方では、動物は本能的に生存に有利な色を好むとされています。
例えば、犬にとって明瞭に見える黄色は「食べ物」や「安全」「快適さ」などのポジティブな要素を連想させる可能性があるのです。
具体的には、生きていくために必要不可欠な生肉の赤色やピンク色も、犬にとっては黄色がかった色に見えると考えられます。
このような背景から「犬が黄色を好む傾向は家畜化される以前のオオカミ時代からすでに存在していた可能性がある」と研究者たちは指摘しました。
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今回の調査はインドの路上の野良犬のみを対象としたものですが、同じ結果はペット犬にも当てはまる可能性があります。
この知見を応用すれば、例えば、犬用のおもちゃや食器を黄色にすることで、より関心を引きやすくなる可能性があります。
また、犬の捕獲や救助の際にも、黄色を活用することで効率が上がるかもしれません。
さらに、オオカミや他の動物にも同様の色の嗜好があるのかを調べることで、動物の色覚の進化についての理解も深まるでしょう。
この研究を通じて、犬の色の好みが単なる偶然ではなく、本能的なものである可能性が浮かび上がってきました。
もしかすると、あなたの愛犬も黄色いおもちゃや食器を特に好んでいるかもしれませんね。