海綿動物「カイロウドウケツ」の特殊な構造からヒントを得る
海綿動物は、世界中の海に広く分布する単純な多細胞生物ですが、その骨格構造は驚くべき耐久性を持っています。
その中でも特に注目されるのが、深海に生息するカイロウドウケツ(学名:Euplectella aspergillum)です。

カイロウドウケツは「ガラス海綿」とも呼ばれ、その骨格はガラス質の繊維(シリカ)でできた繊細な格子構造を持っています。
一見脆そうに見えるこの構造ですが、極めて高い耐久性と柔軟性を兼ね備えており、格子の中に斜めに補強材が組み込まれることで負荷を分散する特性を持っています。
さらに、海底の過酷な環境でも崩壊しないという特長もあります。

この特殊な骨格に着目したRMIT大学の研究者たちは、カイロウドウケツの構造を模倣することで、高性能な新材料を作れるのではないかと考えました。
そして3Dプリンターを活用し、この驚異的な構造を人工的に再現しました。