画像
人間の10倍の調査速度で地雷を発見するAIドローン。イメージ / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
technology

【人間の10倍】新型AIドローンが”超効率”で地雷を発見

2026.03.09 11:30:39 Monday

今でも戦争や紛争が世界のあちこちで生じています。

そしてその度に地雷の数が増えています。

戦闘が終わっても地雷は地中や地表に残り、農地に戻る人や通学する子どもにとって、たった一歩が取り返しのつかない事故につながりかねません。

こうした問題に対して、米国のロチェスター工科大学(RIT)の研究チームは、ドローンに複数のセンサーを積み、人工知能(AI)で解析して地雷や不発弾を見つけやすくする研究を進めています。

狙いは、危険な地雷調査を「より速く、より安全に」することです。

Researchers are combining drones and AI to make removing land mines faster and safer https://theconversation.com/researchers-are-combining-drones-and-ai-to-make-removing-land-mines-faster-and-safer-272248

今も続く地雷の被害、新型の「AIドローン」が道を開く

地雷の被害は、いまも続いています。

報告では、対人地雷が残る地域は少なくとも57の国や地域に及び、2024年には地雷によって1945人が死亡、4325人が負傷しました。

被害者の約90%は民間人で、子どもも多く含まれます。

一方で、地雷除去は簡単に進みません。

2024年に除去された対人地雷は少なくとも10万5640個と報告されていますが、新たな紛争が起きれば地雷はさらに増え、作業が追い付かない現実があります。

なぜ地雷探知は難しいのでしょうか。

現場では今も、人が地雷原に入り、金属探知機で一歩ずつ調べる方法が採用されています。

しかし、土に含まれる鉱物の影響で誤作動しやすかったり、金属が少ない地雷を捉えにくかったりします。

地中レーダーは金属以外の物体も捉え得ますが、地面が濡れていたり、草木が多かったり、凹凸がある環境では扱いが難しく、誤報も増えがちです。

探知犬や手作業による確認は有効ですが、どうしても時間と危険が伴います。

そこで研究チームが目を付けたのが「上空からの多センサー観測」です。

ドローンに積むセンサーは一種類ではありません。

たとえば通常のカラー画像を撮るカメラは地表に見える形や色を捉え、サーマルカメラは地面と地雷のわずかな温度差を探ります。

マルチスペクトルセンサーやハイパースペクトルセンサーは素材の違いを手掛かりにし、広い範囲の地表の変化を捉えるレーダーも搭載されています。

また、LiDARは地面のごく小さな凹凸や乱れを測り、磁力計は、地下の金属成分が生む反応を捉えます。

地雷にはさまざまな種類があり、埋め方も、周囲の植生も、光の当たり方も場所ごとに違います。

そのため、ひとつのセンサーだけで万能に見つけるのは難しいのです。

そこで必要になるのが、複数のセンサーから得られた情報を組み合わせて、「ここは地雷らしい」と判断する仕組みです。

研究チームは、この「複数の目」をAIでまとめて扱う方法を開発しようとしています。

さらに、そうしたAIをきちんと鍛えたり、別の研究者同士で性能を比べたりできるようにするため、基準となる大規模なデータも整えようとしています。

研究の核心は、単にドローンを飛ばすことではなく、さまざまなセンサーの情報をうまく融合させて、現実の地雷原でも役立つ判断を可能にすることにあります。

ではこの新型AIドローンは、どれほどの性能をもつのでしょうか。

次ページ新型AIドローンの試験で「調査速度が人間の10倍」に

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

テクノロジーのニュースtechnology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!