「昼寝したら夜眠れない」のはなぜ?
昼寝は、短時間で頭をリセットできる優れた方法です。
ほとんどの人は、午後の早い時間帯(午後1時~午後4時)の間に、自然と覚醒度が低下します。
多くの研究が示すように、この時間帯の短い昼寝は集中力や注意力、気分の改善に効果的です。
眠気がなくなり、冴えた頭で作業に戻ることができるのです。

しかし、それが1時間を超えるような長時間になると、話は変わってきます。
昼寝が長すぎると、目覚めた時の気分が昼寝する前よりも悪くなる可能性があるのです。
これは「睡眠慣性」と呼ばれる現象であり、深い眠りから急に覚醒することで、一時的に頭がぼーっとしたり、体がだるくなったりすることが分かっています。
米エモリー大学(Emory University)の2018年の研究では、深い眠りから目覚めると、その後最大1時間は体がだるく感じることがあると報告されています。
そして、そのように認知能力が低下したタイミングで機械を操作するような安全が求められる作業をしたり、重要な決定を下したりするなら、深刻なトラブルを招く恐れがあります。
また、昼寝の時間が長すぎたり、そのタイミングが遅すぎたりすると、私たちがよく実感しているように、夜になっても「眠れない」「寝つきが悪い」といった状態が起きやすくなります。
このような睡眠リズムの乱れが続くと、慢性的な睡眠不足や昼夜逆転に繋がり、精神的な不調に発展するリスクも高まるとも考えられています。
では、どうすれば「昼寝したら夜眠れない」なんて事態を避けられるでしょうか。