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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
health

ケガの治療中に「飲酒すべきでない」5つの科学的理由 (2/2)

2025.06.17 20:00:42 Tuesday

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ホルモンと運動機能にも影響が

理由その4:ホルモンバランスの乱れ

私たちの体では、テストステロン成長ホルモンといったホルモンが筋肉や組織の修復を指揮しています。

しかし、アルコールはこれらのホルモンの分泌を減少させ、回復力そのものを下げてしまいます。

さらに過度のアルコール摂取はストレスホルモンとして知られる「コルチゾール」を増加させ、体に「今は危機的状況だ」という誤信号を送ります。

その結果、エネルギーをケガの回復に使わず、緊急事態に備えるモードへと切り替えてしまうのです。

この影響は数日間続き、筋肉の分解を促進し、結果的に回復をさらに遠ざけてしまいます。

理由その5:再受傷のリスクを高める

お酒を飲むと、体のバランス感覚や反応速度が低下します。

脳と身体の情報伝達がスムーズにいかなくなるため、ちょっとした段差や動きのズレが大きなダメージにつながります。

たとえ中程度の飲酒であっても、動作の微細な誤差は2日間ほど残るとされ、回復途上の身体には致命的となりうるのです。

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Credit: canva

治療中に「飲酒の安全ライン」は存在しない

科学的な視点から見ると、ケガをしている最中に「安全な飲酒量」は存在しません。

少量であっても、回復に関わる多くのプロセスに影響を与えることがわかっています。

特に「バースト飲酒」と呼ばれる飲酒スタイル(しばらく禁酒した後、一度に4〜5杯を飲む)は短期的に大きなダメージを与え、「少しずつ頻繁に飲む」スタイルは見えにくいながらも継続的に悪影響を及ぼします。

ケガの回復は、一刻も早く日常生活に戻るための大切なプロセスです。

リハビリの質を高め、完全に治すためには、休養や運動だけでなく、「飲まない選択」も重要な要素になります。

「少なければ問題ない」「一杯だけなら…」という思い込みが、治癒の足を引っ張るかもしれません。

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