ゴースティングは「はっきり断られる」よりも苦しい?

研究チームは今回、仮想の恋愛シナリオを用いて、参加者に実際の恋愛に近い体験をさせながら、ゴースティングが人にどのような感情的・行動的影響を及ぼすかを検証しました。
参加者は、仮想の相手「テイラー」と出会い、メッセージのやりとりを重ね、2回のデートに成功したという設定を体験します。
好感触を得た後、彼らは「もう一度会いたい」というメッセージを送るのですが、ここでランダムに3つのパターンに分かれます。
1:「また会いたい!」という前向きな返信
2:「もう会わないでおこう」という明確な拒絶
3:完全に返事がこない(=ゴースティング)
この後、研究者は参加者の感情、自尊心、相手への愛着、SNSなどで相手を追いかけたくなる気持ちなどを調査しました。
結果はどうだったのでしょうか?
まず、ゴースティングされた人も明確に拒絶された人も、受け入れられた人に比べて明らかにネガティブな感情が増し、自尊心も下がっていました。
ここまでは予想通りの結果かもしれません。
しかし注目すべきはその後です。
ゴースティングされた人たちは「もう終わった」と言われたわけではないため、相手への感情的なつながりを捨てきれず、執着や未練を抱き続ける傾向が強く見られました。
実際、彼らはテイラーのSNSを逐一監視する行動や、連絡を再開することを考えたりする傾向が、むしろ「受け入れられた」グループと近い水準にまで達していたのです。
言い換えれば、「はっきり断られるよりも、曖昧に関係が終わる方が心に残りやすい」ということです。
明確な拒絶が「痛みとともに終わり」をもたらすのに対し、ゴースティングは「痛みとともに宙ぶらりんな関係」を残します。