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psychology

恋愛で「急に音信不通」されたときの心的ダメージが明らかに

2025.08.01 07:00:27 Friday

「いい感じと思っていたのに、突然連絡がこなくなった……」

恋愛中やマッチングアプリでのやりとりのなかで、こうした経験をしている現代人は増えています。

メッセージを送っても返事がない、既読にもならない。

まるで相手がこの世から消えてしまったかのように、何の説明もなく突然連絡を断つ。

こうした行動を心理学では「ゴースティング(Ghosting)」と呼んでいます。

では、ゴースティングは人の心にどれほどの影響を与えているのでしょうか?

米ウェイン州立大学(WSU)の研究チームがその実態を明らかにしました。

研究の詳細は2025年7月8日付で科学雑誌『Personal Relationships』に掲載されています。

Psychologists simulate ghosting—and reveal why it’s so damaging https://www.psypost.org/psychologists-simulate-ghosting-and-reveal-why-its-so-damaging/
Give Up the Ghost: Emotional and Behavioral Responses to Ambiguous Rejection https://doi.org/10.1111/pere.70018

ゴースティングは「はっきり断られる」よりも苦しい?

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研究チームは今回、仮想の恋愛シナリオを用いて、参加者に実際の恋愛に近い体験をさせながら、ゴースティングが人にどのような感情的・行動的影響を及ぼすかを検証しました。

参加者は、仮想の相手「テイラー」と出会い、メッセージのやりとりを重ね、2回のデートに成功したという設定を体験します。

好感触を得た後、彼らは「もう一度会いたい」というメッセージを送るのですが、ここでランダムに3つのパターンに分かれます。

1:「また会いたい!」という前向きな返信

2:「もう会わないでおこう」という明確な拒絶

3:完全に返事がこない(=ゴースティング)

この後、研究者は参加者の感情、自尊心、相手への愛着、SNSなどで相手を追いかけたくなる気持ちなどを調査しました。

結果はどうだったのでしょうか?

まず、ゴースティングされた人も明確に拒絶された人も、受け入れられた人に比べて明らかにネガティブな感情が増し、自尊心も下がっていました。

ここまでは予想通りの結果かもしれません。

しかし注目すべきはその後です。

ゴースティングされた人たちは「もう終わった」と言われたわけではないため、相手への感情的なつながりを捨てきれず、執着や未練を抱き続ける傾向が強く見られました。

実際、彼らはテイラーのSNSを逐一監視する行動や、連絡を再開することを考えたりする傾向が、むしろ「受け入れられた」グループと近い水準にまで達していたのです。

言い換えれば、「はっきり断られるよりも、曖昧に関係が終わる方が心に残りやすい」ということです。

明確な拒絶が「痛みとともに終わり」をもたらすのに対し、ゴースティングは「痛みとともに宙ぶらりんな関係」を残します。

次ページ「希望と絶望のはざま」で人は身動きが取れなくなる

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