愛犬をビーガンにできるのか?ビーガン・ドックフードの栄養素を調査
ビーガンとは、肉や魚、卵や乳製品など動物性食品を一切口にしないライフスタイルを指します。
近年は健康だけでなく、動物愛護や環境負荷の軽減のためにビーガンを選ぶ人が世界中で増えています。
そしてその価値観はペットにも広がり、犬もビーガンにできるのかという議論が活発になっています。
実際、欧米のスーパーやペットショップでは、「植物100パーセント」や「ビーガン対応」といった表示のドッグフードが増えています。
こうした製品は、肉を使わずに犬に必要なすべての栄養を与えられると宣伝されているようです。
しかし犬はもともと肉を主なエネルギー源としてきた動物です。
そのため、本当にビーガンフードだけで健康が保てるのかという疑問や不安の声も多く聞かれます。
この疑問に科学的な答えを出すために、ノッティンガム大学の研究チームは、イギリス国内で市販されているドライタイプの完全食ドッグフード31種類を集めました。
サンプルは肉ベース、植物ベース(ビーガン・ベジタリアン)、獣医療用の3つのグループに分けて調査されました。
肉ベースは鶏肉や牛肉、羊肉などが主原料の19種類、植物ベースは豆類や穀物など動物性原料不使用の6種類、獣医療用は腎臓病など特定の疾患対応で低タンパク設計の6種類です。
分析項目はタンパク質、犬が体で作れないため食事から摂る必要がある必須アミノ酸9種類、脂肪酸、カルシウムや鉄、ヨウ素など13種類のミネラル、ビタミンD、ビタミンB群(B1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12)です。
さらに、欧州ペットフード工業連合会(FEDIAF)の基準をもとに、すべての成分が基準を満たしているかどうかも調べました。
このようにして、1つ1つのフードを細かく分解・分析し、本当にビーガンフードだけでも犬に必要な栄養がすべて揃うのかを明らかにしました。